うつ病は精神的な要素によって引き起こされるものなので、他の病気やケガとは異なり患者自身の力だけで治療を進めていくのが難しいともいわれています。少しでも良く改善していきたいと考えるのであれば家族のサポートが非常に重要となっているのです。治療の各段階で家族のサポートは必要となってきますが、その中でも特に大事なのが初診時の同伴です。うつ病になってしまった人は、気持ちが沈んでしまい自身の現状やこうなってしまった要因、周りの環境などを正しく医師に伝えきれない場合があります。そのような場合に現状を正しく伝えてくれる家族が同伴していれば、医師も正確な情報を元に治療プログラムを提案することができるのです。また、患者自身では気づかない客観的な視点から見た原因を特定することにも繋がるのです。
中度から重度のうつ病を患ってしまった場合、医療機関においても患者は自身の心を開けない状態になってしまっている可能性があります。特に初対面となる医師の前では自身のことを話せない人も多く存在するのです。そうなってしまうと診察や治療の提案ができない状態になってしまうので、家族が同伴していれば非常に助かるでしょう。また、日常生活の中で患者自身の行動や様子をしっかりと観察しメモに残しておくことで治療をスムーズに進める1つの判断材料ともなり得ます。普段は発しないネガティブな言葉や行動を記録しておくのも重要だといえるでしょう。簡単なことでもメモに残しておくことで、医師を手助けする要素となるのです。
うつ病治療をサポートする際の注意点としては、過度なサポートをしすぎないという点があります。特に家族がうつ病となってしまった場合は、心配なので様々な場面においてサポートをしがちですが、過度なサポートが続いてしまうと本人の自立を妨げる要因にもなってしまいます。うつ病治療において大事なのは本人の意思を尊重しつつ進めていくことなのです。また、うつ病治療のサポートに力を入れすぎてサポートする人自身がストレスを抱え込んでしまう可能性も存在します。自分のできるサポートをしっかりと把握して、無理の無い範囲で助力をするように心がけましょう。そうすることで患者自身の自己解決能力も復活し、結果的に良い方向へと進んでいくのです。患者と医師と、周りのサポート、この3つが上手くかけ合わさることによってうつ病治療はスムーズに進めることができます。正しい知識をもってうつ病をサポートできるように準備しておくのも良いでしょう。